不動産投資をするにあたっては今後の景気動向や経済指標にも少なからず目を向けおくべきです。
お金を借りるときの金利はもちろんのこと、景気が良くなれば物価や地価が上がることも見込まれ、家賃にも影響してきます。
そういった経済指標のなかで円高や円安という為替の値は不動産投資にどう影響してくるのでしょうか。
為替と不動産投資の相関性について解説します。
円高と円安それぞれの利点とマイナス点
■円高
例えばドル円の為替レートが1ドル100円の状態から1ドル95円となったときが円高となります。1ドルを95円で買えるので100円で買うよりも得です。
これは円の価値が上がったことを意味しています。単純な話、日本人が円をドルに換えて、現地で買い物をするときにメリットが生まれます。
逆に企業が輸出をする際は損です。現地での販売価格は変わらなくとも1ドルを95円と換算されると日本円にしたときに5円分の損が発生します。
■円安
同じように考えて今度は1ドル105円となったときが円安です。輸出の際は1ドルが105円となり5円の得です。
ものが同じだけ売れても利益に差が出るのです。円安により利益を確保できれば販売価格を下げることもできるので価格競争にも有利に働きます。
逆に輸入の際は1ドルのものを105円払うので、5円分の損です。
輸出での売り上げの割合が高い大企業では為替が1円動いただけで営業利益が数十億違うと言われます。
輸出企業が多い日本では円安に動くと企業の業績が上がり、いわゆる日経平均株価が押し上げられます。
このことからもわかるように為替と株価の動きは連動する傾向です。
為替と不動産投資の相関は?
■売却益に差が
円安になり企業の経済活動が高まり、それが景気に反映してくると物価をはじめ土地の価格も値上がりすることが考えられます。
不動産といった土地を持っている人には売却益が見込めます。
それは東京などの都市圏で顕著に見られ経済活動が盛んなところほど需要も大きくなるものです。
■円高時が買い時
新築アパートを建てるときは円高のときに購入すると建築資材などは輸入もあり、安くなることが想定できます。
土地なども不景気時で安いときに仕入れておくのも手です。
不動産投資の基本はインカムゲイン
上記の事例は為替から起因した不動産の価格変動の相関の話でした。
確かに売却益を見込むのであれば、買い時や売り時は重要になりますが、不動産投資の基本は家賃収入を得ることです。
家賃は物件の場所を選べばあまり下落しないものです。
誰しも住むところは必要とするのでアパートやマンションの需要というのはそうそうなくなりません。
ましてや東京都市圏の好立地で今後開発が見込めるところであれば家賃だけに留まらず、地価の値上がりも期待できるかもしれません。
中古物件であれば価格も下がり、為替の影響も少なくなります。
結論としては良い物件を選んで景気に左右されず家賃収入を得られる形が不動産投資の最大のメリットである、ということです。
円安円高は不動産価格には少なからず影響してきます。値上がりしているときだから早く買おうと焦ることもあるでしょう。
しかし基本は家賃収入を継続的に得ることが不動産投資に求められるものです。
景気変動に左右されない好物件を手に入れることが先決であり、不動産投資を手堅く進めていく王道です。
そのためには景気変動に関わらず年齢が若いうちに購入し、なるべく早くローン返済することが不動産投資を成功させる秘訣になります。
物件や立地エリアについては不動産情報サイトを検索すると専門家の見識なども分かって情報収集に有益でしょう。