日経平均は反発、5日線や+1σ水準での底堅さが意識されるか

 日経平均は反発。95.84円高の18370.83円(出来高概算11億2000万株)で前場の取引を終えた。イタリアショックを吸収した欧米市場の流れを受けて、前日の下落部分を吸収する格好から買いが先行した。しかし、寄付き直後につけた18484.80円を高値に、その後はこう着感の強い相場展開となり、次第に上げ幅を縮めている。

 東証1部の騰落銘柄は、値上がり数が1200を超えており、全体の6割を占めている。セクターでは鉄鋼、海運、証券、非鉄金属が2%を超える上昇。一方で、パルプ紙、食料品、空運が小安い。売買代金上位では、メガバンク3行のほか、トヨタ自<7203>、任天堂<7974>、三井物産<8031>、東芝<6502>、ソフトバンクG<9984>、野村<8604>が堅調。一方で株式分割と売り出しを発表したキーエンス<6861>が軟調。

 日経平均は買い先行で始まった後は上げ幅を縮めており、5日線レベルでの攻防。ボリンジャーバンドでは+1σ水準での推移をみせている。この5日線や+1σ水準での底堅さが意識されるようだと、リバウンドへの意識が強まってきそうだ。ただ、強弱感が対立する水準でもあり、支持線に変えられないと短期筋の売り仕掛けも出てきやすいだろう。まずは、下値の堅さを見極めたいところ。

 とはいえ、来週のFOMCで利上げに踏み切る可能性が高いほか、トランプ次期米大統領への政策期待は強く、押し目買い意欲は強いだろう。日経平均は節目の18000円や25日線辺りまでの調整があれば押し目買いを入れやすいだろうが、足元の調整では押し目を入れづらく、まだ、押し目待ちに押し目なしの水準である。
(村瀬智一)

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